広いバンコクの街で

バンコクは思ったより狭い。と思うときもあるけれど、やはり広い。
たいして行くとこはない、と思うときもあるけれど、ほとんどしらない所ばかりだ。前から行きたいと思っていた美術館が、平日のみで予約必須だったので、休みになった今、予約をいれようとした。・・ら、なんと改装のためクローズしていた。中身は新しい建物で見れるというが、私は建物を見たかったのだ。とても行きにくいと思っていた場所だったけれど、つい先日何もしらずに眼の前までバスで行って、あら、ここじゃん、と思ったので連絡したのに。ああ、残念。

そこで、ふと思い出した場所があった。昔の宮殿が残されていて、建物の一部がカフェになっていると聞いたような。調べていたら、思った場所とは違うかったのだけれど、気になったので行ってみることにした。その宮殿エリアは今は病院になっている。門をくぐり抜けると、マクドナルドがあって、病院でマクドでええんかいな、と思いつつ、敷地内を歩くと突然に美しい洋館が現れた。とてもきれいに整備されていて、建物は木で床はタイルなので、とても優しくていい。東洋と西洋が混じっているって本当に素敵だなぁ。ふとどこにいるのかわからなくなる。そして、とてもきれいに保たれている。この国は本当にいろんなことが両極端だ。

カフェは、靴を脱いで入るのだけれど、とてもクラシックで、かといってかしこまりすぎず、良い感じだった。もっと早く知ってたら、通ってたなぁ。途中から生演奏が入ってきて、とても良い雰囲気のクラシックやらドラえもんの主題歌やらぐちゃぐちゃで、これもなんだかタイらしい。

帰りに寄りたいところがあったので、バスを待っていたら一向にやってこない。他のバスはどんどんとくるのに、私の待つバスはやってこない。暑くはなかったので、他のバス停まで歩くことにした。初めて歩く道だけれど、まっすぐだし、ぽんやり歩いていた。

そうしたら、前から知った顔が歩いてきたのだった。もとクラスメートの中国人の女の子だった。お互いの共通言語が拙いタイ語だけだったのだけれど、レベル1のときから一緒で、いつかもっと喋りたいと思っていた子だ。とても良い子で良いムードメーカーで、まだ若くて、タイのスーパースターが大好きで、それが故に上達が早くて熱心な子だった。今はミーハーで、ちょっと賑やかで年齢よりも幼さが残るこだけれど、男っぽい格好をしていてもとても優しくて女らしさが感じられる子だったので、きっと素敵な女性になると思っていた。英語もやりたい!といって努力していたし、きっと有望だろう。来年また戻ってくるね、と言ってたけど、会えるのかなと思っていたら、なんと偶然に会ってしまった。今まで歩いたことのない道で、今まで町中で偶然会うことなんてなかったのに。この広いバンコクで、ちょっと辺鄙な、普通は通らないような病院の前であうなんて。

お互いたいしてしゃべれないので、どこいくの?いつかえるの?とか、ちまちまいって別れた。ほとんど何もしゃべれないけれど、嬉しかったなぁ。きっとまた会うだろう。

会いたい人には、会える。
そして、彼女とまた喋りたいから、私もタイ語続けなくては。