人間としゃべりたい

とある手続きが必要となったので、カード会社3社に電話をした。本当は2社で良かったんだけど、提携とか何やらがややこしくて結局3社かけるはめになった。
電話が混み合ってて10分くらい待ったりもしたけれど、こういう時はカケ・ホーダイの強み。ハンズフリーにして放っとけたので、イライラはなかった。

出てきたのはおねーさん。こういう系のしごとはほとんどが女性なんだな。しかしだ。2社目、3社目をかけるごとに気づいた。別々の会社なのに、聞く順番も、そして言うセリフも同じなのだ。「〇〇のため、失礼ですが、〇〇をお伺いしてもよろしいでしょうか」というように、「失礼ですが」が挟み込まれる位置まで同じでのけぞった。これはマニュアルだ。それに気づくと、「あ、次はあれだな。」「あ、次は復唱するんだな」とわかる。しかし、わかったところで何なのだ。そして、おそらく「ゆっくり、はっきり、これくらいのスピードで」というのも決まってるんだろう。気持ち悪いくらいくっきりはっきりのゆっくり復唱された。ご不明な点とか聞いてくれるのも、わからないというときのセリフも、マニュアルだ。あれは人間の言葉じゃない。あれは、機械の言葉だ。

丁寧でやさしそうな機械と喋ってるみたいで、3社目ではさすがに気持ち悪かった。これさっきもあったよね。あ、違うお姉さんか。たまに言い間違えたときの、「あっっ」という時の素の感じと、すぐに機械にもどるときのギャプも奇妙だった。飲食店で馬鹿丁寧な店員さんに、ちょっとイレギュラーな質問したときも、ものすごいボロがでておかしいけど、それよりコールセンターの人たちは顔が見えない分、もっと機械のように聞こえる。最近、「サービス向上のため通話を録音させていただきます」というところもあるけれど、なんか問題あったら、上の人たちが録音した会話をきいて、現場の人たちの揚げ足を取ったり、イヂメたりするのに使ってんじゃないんだろうか。そして、こんな風にどんどん機械のようになって、機械に操られるような方向にドンドン自分たちで持って行ってんじゃないの、日本人と思う。

日本のサービスはものすごい良いんだよ。だからさ、そんなに馬鹿丁寧にギクシャクして人間離れしなくていいんだよ。私は人間としゃべりたいんだ。マシーンじゃなくて。人間と。