ヘルプウェルカム

日本の都心で、決死の覚悟の顔つきでベビーカーと荷物と小さいこどもを連れたお母さんたちを見る度に、異国での出来事を思い出す。

イギリスのどこかでホームからの階段をベビーカーと共に登ろうとしていたお母さんに対して、スーツ姿のエリート風の男性が、片側をがしっと掴んで一緒に登っていったこととか。

ヘルシンキのトラムで、次の駅が見えた時、60代以降の夫婦の旦那さんがガシっと立ち上がって扉に向かった。降りるのかとおもいきや、その駅から乗ってくるお母さんとベビーカーをトラムにのせるのを手伝うためだった。フィンランド語はわからなかったけれど、知人ではなさそうだったこととか。

ヘルシンキストックホルムで、平日昼間にカフェにいたら、頑丈そうなベビーカーを連れた男性がお茶しにきてたことや、スーツ姿におんぶ紐で子供をつれながら、携帯電話している男性も目撃してたこととか。

ストックホルムでフェスティバルの最高責任者が女性で、「産休中」で、大きなお腹で最初の挨拶をしていたり。フェスティバルのメインのパーティを仕切っている女性が、ベビーカーと共に現場を確認してきていたり、後で広報誌を見て知ったけれど、フェスティバルのトップ6-7名中、5名が女性だったのも印象的だった。

と、同時に、ニュージーランドに一時住んでいた日本人男性が、帰国後、日本の電車で女性の荷物を上げたりするのを手をかそうとすると、怪訝な顔をされるからやりにくいんだよ、、とぼやいていたのも思い出した。私は「ヘルプ ウェルカム!」という顔でいつも京阪でも新幹線でも荷物を上げているんだけれど、今のところ、ヘルプの手がにょきにょきと伸びてきたことは、ないんだよなぁ。あんなに荷物もって移動してるのに。